1年半待たずに受給できますか?
介護の仕事をしています。半年ほど前から、利用者の入浴介護を行っている時に右膝に強い痛みを感じるようになりましたが、仕事が忙しく我慢できる範囲であったため医療機関にはかかりませんでした。半年ほど我慢していたのですが、痛みがだんだんひどくなり、歩行も辛くなってきたため、整形外科を受診したところ「変形性膝関節症」と診断されました。人工関節置換術を行うように提案され、手術をうけました。
置換手術を受けたことで、施術前よりも明らかに歩行は楽になり、痛みも少なくなりましたが、それでも以前と同じ介助業務に従事するのは難しい状態です。現在は職場の配慮のおかげで、配膳や事務作業を行うパート社員として働いていますが、以前と比べて収入が減少し、とても困っています。
人工関節だと障害年金がもらえると聞いたのですが、やはり通常通り一年半待たないと申請、受給は出来ないのでしょうか。
回答
ご相談有難うございます。
通常、障害年金の申請は傷病が発生してから一年半後の「障害認定日」を待ち、その時点で傷病が治っていないことをもって、申請が可能になります。ただし、それはあくまで“通常”の場合であり、障害年金の「障害認定日」にも例外がいくつかございます。
まず、認定日の定義は以下の通りです。
① 請求する傷病の初診日から1年6ヵ月を経過した日
② 初診日から1年6ヵ月経過前に症状が固定した場合は、固定した日
原則、皆さん①の1年6カ月が経過するのを待ち、申請手続きをとって頂くことになります。
しかし、相談者様の傷病である「変形性膝関節症(人工関節)」は、障害年金の認定基準に下記の通りに記載があるため、例外である②を適用することが可能になります。
「(ア)一下肢の 3 大関節中 1 関節以上に人工骨頭又は人工関節をそう入置換したものや両下肢の 3 大関節中 1 関節以上にそれぞれ人工骨頭又は人工関節をそう入置換したものは 3 級と認定する。」
「(イ) 障害の程度を認定する時期は、人工骨頭又は人工関節をそう入置換した日(初診日から起算して 1 年 6 月を超える場合を除く。)とする。」
以上の記載から相談者様の場合は、人工関節を挿入した日を「症状が固定した日=障害認定日」とみなし、一年半経たずとも、申請が可能です。
また、下記の傷病の場合、一年半待たずとも申請が可能です。(初診日から起算して一年半が経過している場合を除く)
手足の切断、在宅酸素療法、人工物の埋め込みや造設手術(心臓ペースメーカー、CRT、CRT-D、人工弁、ICD、人工関節、人工骨頭、人工血管など)があります。また、脳血管障害等で医師が症状固定とした日、肺機能障害又は器質精神病(脳炎後遺症・老年性痴呆症)等の場合で、不可逆性の状態に至ったと認められた日、人工透析療法を行っている場合、 遷延性植物状態の場合は、遷延性植物状態に至った日から起算して3月を経過した日 なども「症状が固定した日」とみなされ②に該当することがあります。
ただ、傷病によって「固定した」とみなされる日も、みなされるまでの期間も異なりますし、医者と本人が「固定した」と主張しても審査で認められない傷病もあります。
また、受給決定にかんしては、申請してから3カ月程度(それ以上かかる場合も)審査にかかる、と日本年金機構の方から明示がされています。
そのため今回のご回答としては“一年半待たずとも、置換を行った日を「認定日」とし申請が可能である、受給に関しては最短でも更に3カ月後からです。”というお答えになるかと思いますが、これはあくまで一般的なお話であるとご理解いただき、さらに詳しいご相談、回答をご希望の場合は、ご面談の機会をいただきました上で対応させていただければとおもっております。
初回の面談につきましては料金を頂戴しておりません。
また、面談をしたからといって、当事務所にサポートの依頼をしなければならない、ということもございませんのでご安心ください。
ご都合のよろしい日程をいくつかご提示いただければ、当方の日程と調整の上、ご面談の日時を決めさせていただいております。また、ご自宅やご自宅近隣ほかのご指定の場所での出張相談も承っておりますのでご検討いただければ幸いに存じます。
もし障害年金の申請に関して、少しでも不安がある場合には、是非一度当法人にご相談ください。
何卒よろしくお願い申し上げます。