脳性麻痺により障害基礎年金2級が認められたケース
男性(50代/就労中)
傷病名:脳性不全麻痺、脳性麻痺による言語障害
決定した年金額と等級:障害基礎年金2級
受給決定額:年額約780,000円
相談者のお困りごと・面談時の状況
生後1週間ほどで発症した黄疸から脳性麻痺となり、肢体の障害と言語障害が残りました。
相談時点では障害者雇用でパソコン入力作業の仕事をしていらっしゃいましたが、ここ1~2年でパソコンのマウスを自由に操作できなくなったりすぐにつまずいて転倒してしまうことが多くなったりと、就労を継続することが大変難しい状況になっていました。
社労士による見解アドバイス
医療機関が廃業してしまったり、あるいは受診したのが5年より前でカルテが破棄されているために「受診状況等証明書」(その医療機関を受診したことを証明する書類)を書いてもらえないケースは決して稀ではありません。
そのような時は、「受診状況等証明書」の代わりに「受診状況等証明書を添付できない申立書」を自分で作成して障害年金の申請時に他の書類と一緒に提出します。
しかし、「受診状況等証明書を添付できない申立書」だけでは障害年金を受給できないことの方が多いと言えます。
「受診状況等証明書を添付できない申立書」を提出する場合は、できる限り障害者手帳や母子手帳や医療機関を受診した際の領収書などその病院を受診したと推測できるようなものを一緒に添付し、初診日の主張を行うことになります。
受任までに行ったこと
出生後すぐに発症した脳性麻痺を原因とする20歳前傷病として申請を行うことにしました。
一番最初と2番目に受診していた病院は、現在廃院しており受診状況等証明書を書いてもらうことができなかったので、「受診状況等証明書を添付できない申立書」を作成しました。
今回の脳性麻痺に関して、20歳前に医療機関を受診している事を証明できる資料を探したところ、母子手帳とマイナポータルという行政機関等が保有している自分の情報や行政機関での情報のやり取りが確認できるサイトに20歳前に医療機関を受診している記録が残っていました。
母子手帳は「生後1週間ほどで脳性小児まひになった」ことが分かる記述を、マイナポータルからは、「20歳前に脳性小児麻痺等で身体障害者手帳4級を取得している」記録を確認できました。
それぞれが分かる部分を印刷して、ほかの障害年金申請書類と一緒に日本年金機構に提出し、初診日が少なくとも20歳前の年金未加入期間であることを主張しました。
結果
障害基礎年金2級の受給が決定しました。